コロナ禍でスポーツ界にも自粛の波が押し寄せ、高校野球は春に続き夏の大会も中止になってしまいました。
結果的に春の選抜高校野球大会の出場予定校が甲子園で一試合だけ試合をできることになったものの、
夏の甲子園を目指す高校3年生球児にとっては一生に一度のチャンスを失うという悲しいシーズンになってしまいました。
はたしてラグビーやサッカーはどうなるのか?
2019年 ラグビーワールドカップ 日本大会は予想以上の盛り上がりを見せ「ワンチーム」「笑わない男」「にわかファン」などの流行語も生みました。
開幕前は、外国人選手だらけの日本代表チームに対しての違和感から批判的な意見も聞かれましたが、大会が始まると批判的な声は影を潜めました。
国籍を超えて、「チーム」と「日本」のために献身的にプレーする選手の姿に感動こそすれ、批判をする気持ちなど吹き飛んでしまったのだと思います。
私も高校・大学とラグビープレイヤーでしたが、「激しさ」の陰にある「緻密な戦略性」に魅了された人間の一人です。
ただし「緻密な戦略性」も、体力が無ければ発揮することができません。
そのために日々体を鍛えなければならないのです。
そして、鍛錬の甲斐あって「ゴリマッチョ」だらけの集団が出来上がっていきます。
そんな素晴らしいラグビーフットボールというスポーツについて解説してみましょう。
ラグビーの発祥
ラグビー発祥の地はイギリスです。
当時のイギリスでは、フットボールが盛んに行われていました。
当時のフットボールには明確なルールもなく、双方のリーダー同士がルールを決めていました。
もちろんレフリーもいなかったのですね。
そんななか、「ラグビー校」というパブリックスクールで行われていたフットボールのルールが原型となって、各地に広まりました。
そして1871年に現在のラグビーの原型が生まれたと言われています。
その後スポーツとしてのラグビーは産業革命とともに世界に広まっていくことになります。
「ニュージーランド」「オーストラリア」「南アフリカ」などでラグビーが盛んなのは、いずれももともとイギリスの植民地で、本国イギリスからラグビーが広まったというのが理由です。
ラグビーは紳士のスポーツ
ラグビーは「紳士のスポーツ」と言われます。
これには様々なご意見があるかと思いますが、理由の一つはその発祥と、ラグビーが行われてきた環境にあります。
そもそもラグビー発祥の地「ラグビー校」は、かなりの名門校でした。
オックスフォード大やケンブリッジ大などに多くの生徒を輩出する一方で、年間の学費も相当高かった(今でも高い)ようです。
そんな「ラグビー校」に行けるのは財力のある貴族などの子息。
そして「名門校」を中心に「ラグビー」が広まっていきました。
精神と身体の両方が鍛えられ「チームプレー」の精神も身に付くという意味で教育の一環にもされたのです。
ラグビーが別の言い方で「最も野蛮な貴族のスポーツ」と言われるのもこのような所にあるのです。
ところで、ラグビーに「5か国対抗戦」という大会があるのをご存じでしょうか?
5か国が戦って世界一を決めるという大会なのですが、参加チームは
イングランド
ウェールズ
スコットランド
アイルランド
フランス
これで5か国です。
「イギリスとフランスしかないじゃん」と思いますよね。
いずれも王国の名前です。
要するに「チームと王様」のために戦うということなんですね。
少し前まで、ラグビーフットボール協会は「プロ」の存在を認めていませんでした。
「スポーツ」で金を稼ぐなんて・・・」という考え方が根強かったのです。
なので、以前の「イングランド代表」などの選手はすべてアマチュア選手でした。
選手紹介のときに職業もアナウンスされていました。
〇〇〇〇選手 職業:医師
△△△△選手 職業:弁護士
***** ******
***** ******
といった感じで、やたら医者と弁護士が多いなと思っていました。
ひとつ有名なエピソードがあります。
ある貴族の息子は、親の勧めで「ラグビークラブ」に入りプレーしていました。
しかし本当は「サッカー」をやりたかったのです。
彼は「サッカー」対する気持ちが捨てきれず、ひそかにサッカーの練習に打ち込んでいました。
サッカーでもかなりのレベルになった彼は、ある日、父親に打ち明けます。
「お父さん、僕はサッカーのプロ選手になりたいのです。」
それに対して父親は
「サッカーなんてブルーカラーのスポーツじゃないか。絶対にゆるさん。
サッカーをやるなら、お前は勘当だ!」と言ったそうです。
ラグビー = 「貴族のスポーツ」
サッカー = 「労働者のスポーツ」
と言う考え方が強かったのですね。
今は、プロもできたので、かなり変わってきました。
ラグビーシーズンが始まる
日本では、ラグビーは冬のスポーツです。
夏にやったら暑くて倒れてしまいますから。
しかし、過酷なのは夏合宿。
夏合宿のメッカと言えば長野県の「菅平高原(すがだいらこうげん)」です。
ここに、夏には全国から高校や大学のチームが集結します。
なので練習試合相手に事欠くことはありません。
毎日ドロドロ、ヘトヘトになって合宿所に戻ると、体を大きくするために食べきれないほどのご飯を無理やりお腹に押し込んで、クタクタになって眠る。
朝起きると体のあちこちが痛いけど、それも忘れるくらいまた練習。
正直、合宿行きたくなかったなあ・・・。
合宿は辛いのですが、このあたりから強豪校は強くなってきます。
そして、夏休みがあけてしばらくするとシーズンが始まります。
全国高等学校ラグビーフットボール大会
年末から正月にかけて、近鉄「花園ラグビー場」で行われる全国大会です。
高校生ラガーは、花園を目指して頑張っているのです。
以前は東京と大阪のチームが強かったのですが、最近は関西が強いですね。
関東で優勝に絡むのは神奈川県の「神奈川桐蔭学園高校」くらいになっています。
関西では東海大暁星高校、京都成章高校、御所実業高校、天理高校
福岡の東福岡高校あたりが上位にからんできます。
高校生も体格が良くなり、かなりハイレベルな戦いとなっています。
12/27から始まる全国大会では数々の好プレーを見ることができるでしょう。
ひたむきなプレーに感動できること請け合いですので、是非見てみて下さい。
でも、今年はできるのか・・・。
出場校・試合日程等は公式サイトをご参照下さい。
ちなみに私は群馬県代表として出場し、二回戦でその年の準優勝校である東京の「目黒高校(今の目黒学院)」に敗退しました。
大学ラグビー
昔は一番人気があったのは大学ラグビーでした。
特に正月の学生選手権決勝で早稲田・慶応・明治がからむ試合のチケットは前日から並ばないと取れないほど人気でした。
大学ラグビーでは東京に強豪があつまっています。
関西では同志社大学が名門で「故 平尾誠二」選手などの名選手を輩出していましたが、最近は低迷しています。
東京の大学以外で唯一気を吐いているのが奈良の「天理大学」です。
関西の名選手が大学では、ほとんど東京の大学に進学するので無理もないですね。
関東ではリーグが「対抗戦」「リーグ戦」の二つに分かれており、その他「関西学生リーグ」などを経て、最終的に全国の上位チームが覇権を競う「学生選手権」が正月に開催されます。
「学生選手権」は「帝京大学」の連勝が9連覇で途絶え、昨年は明治大学が優勝。
今年は伝統の早明戦を早稲田が制して優勝するなど、人気校が優勝しているので、学生や卒業生を中心にかなり盛り上がっています。
最近では関東の「早稲田」「明治」、関西の「天理」、この3校の実力が拮抗していて面白くなっています。
次の「日本代表チーム」に入る選手をチェックしながら見るのも楽しいかも。
大学ラグビーとなると、全国選りすぐりの選手がプレーするので個々のテクニックがかなり熟練してきます。
こちらも是非チェックしてくださいね。
トップリーグ
社会人ラグビーが発展してできたのが「トップリーグ」です。
基本的には「企業」がスポンサーのチームですから、選手は基本的にその企業の社員ということになります。
昨年放送された「ノーサイドゲーム」をご覧になっていた方は、その仕組みが概ねわかると思います。
「トップリーグ」は全16チームがリーグ戦方式で勝ち点を競い、優勝を決めることになっています。
2019-2020の大会は「新型コロナウィルス」の影響で中断し、そして中止を余儀なくされました。
昨年「ワールドカップ」で日本中を沸かせた選手たちが、各チームに分かれて相まみえる対戦は、想像以上の熱戦が繰り広げられます。
また同じく「ワールドカップ」を沸かせた、ニュージーランドや南アフリカの選手が日本の「トップリーグ」に加入してプレーしているので、それこそ「トップレベル」のプレーを間近に見ることができるのも魅力の一つです。
日本ラグビー協会では、将来この「トップリーグ」に代わるリーグの創設を検討しているようで、そうなると「サンウルブス」の合流からのプロ化の可能性も出てきています。
協会では、次の「トップリーグ」について来年の1月開催に向けて調整をしています。
皆さんにも世界トップレベルのラグビーを是非お愉しみ頂きたいと思っています。
各スポーツ界が「新型コロナウイルス」の影響で頭を悩ませていますが、そんな事を吹き飛ばすような「熱いラグビー」を観たいし、皆さんにも是非観ていただきたい。
ちなみに私は12月に入って「J-Sportsのラグビーチャンネル」(月額1800円+消費税)を購入しました。
月単位で購入・解約が簡単にできるので2ヶ月位買おうと思っています。
時間がある時にまとめて観ることができるのでオススメです。