2020年の不動産マーケットは「変化の年」になりそうな気がします。
変化への対応が求められますね。
(新型コロナ流行を予見していたわけでは無いですが結果的に大きな変化が訪れました)
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2012年12月に第二次安倍政権が発足しました。
「アベノミクス」や「オリンピック」誘致は一応の効果をもたらし、不動産価格にもプラスの影響をもたらしました。
しかしながら実質経済成長率は上がらず、根本的に何かが変わったという事ではないために、右上がりの不動産マーケットにもそろそろ終焉の兆しが見えてきています。
いまだ株価も高水準ですが、なぜ変化の局面なのか?
根拠を示して行きましょう。
1.東京圏の価格が頭打ち
不動産価格の値上がりは東京から始まります。
リーマンショックにより値下がりした不動産価格はアベノミクスのタイミングから均衡→上昇へと局面を転換していきます。
アベノミクスの効果なのか?
必ずしもそうとは言えませんが、政権が安定してる事は投資家にとって好材料になります。
東京の不動産は国内のみならす海外の投資筋が注目しています。
価格が一定程度調整すれば投資効率(利回りと言っても良い)が向上します。
なぜなら賃料は売買相場ほど上下動しないからです。
投資家は投資先を選択する際に、リターンとリスクを天秤にかけるのですが、日本は、自然災害以外のリスクが他のアジア諸国と比較して低いのです。
そうなると東京の不動産は値上がりを始めます。
値上がりを始めると株と同じように投資家が群がります。
それによって値上がりに拍車がかかるのです。
東京だけではなく、大都市圏の地価も数年に渡って高騰てしきましたが、そろそろ警戒レベルにあります。

最近では金融機関も警戒感を強めており、融資に対して慎重な姿勢をみせていています。
いずれにしても金融緩和による超低金利によって拍車をかけられた需要は停滞期を迎えることになるでしょう。
2.売却件数の増加
不動産マーケットを取り巻く環境の変化に加え、不動産マーケット自体にも変化が現れています。
ひとつは売却されている土地在庫数の増加という現象に見られます。
引き続き購入意欲は旺盛なものの水面下で在庫の増加現象が現れ始めています。
その傾向は関西圏において顕著になっています。
3.企業業績の悪化
昨年から企業業績の悪化が目立ってきています。
米中貿易摩擦などにより、日本企業の主要輸出先である中国経済の成長が鈍化しています。
企業業績の悪化は、経営の悪化を招き、設備投資や人員採用、給与などに影響を与えます。
同時に消費者のマインドにも悪影響を及ぼします。
4.目先の目標を失う
もうひとつは2020東京オリンピックの影響です。
ひとつの目標としてオリンピック開催に向け盛り上がってきたマーケットはオリンピック開催と同時に目標を失います。
日本経済の成長が鈍化している今、経済の総量が膨らんで国が成長するということは無くなっており、一定の経済循環のサイクルによってマーケットが変動しています。
リーマンショックで下落した不動産価格はアベノミクスを契機に東京オリンピックを目指して右上がりに推移しましたが、その後どうなるかは説明の必要が無いでしょう。
5.自然災害リスクへの警戒感
昨年の台風による被害、南海トラフ巨大地震などに対する警戒感など、海外投資家が日本に投資する際の「自然災害リスク」に対する見方は少なからず厳しくなっているでしょう。
自然災害に対する行政の対応がしっかりと示されなければ、自然災害リスクに対する投資家の懸念は払拭されることはないでしょう。
恐らく2020東京オリンピックあたりから、価格調整は本格化すると思われますが。一方で超低金利政策は継続され、相続増税などにより資産家の不動産購入意欲は堅調に推移すると思われます。
これらによって起こる現象とはどういうことか?一部の優良物件がある程度の価格水準になれば、そこに需要が集中するという現象が予想されます。
6.買い時はくるのか?
前回の価格調整はリーマンショックを契機として約一年半で終わり、その後横ばいに推移しました。
今回の価格調整もその後の大阪万博やIR誘致などの材料を考えると長く続く事はなく、一定の調整で落ち着くと思われます。
海外大型資本の利益確定売りはすでに始まっており、価格が下がり始めると短期資金の離脱、その後損切りが始まるでしょうが、IRなどの好材料によって遠くない将来需要が戻ってくることが考えられます。
不動産マーケットの動向と日経平均株価の値動きの相関性について、「不動産価格の推移は株価推移の後追いである。」と言われます。
不動産は、上場株式と違って売却に時間がかかることと、公的機関の数値的発表のタイミングが遅いため、統計的には株価の後追いで動いているように見えますがが、実態としては同じような動きをすると考えて良いかと思います。
だだ最近の株価相場は国の資金が入っているのでマーケットをダイレクトに反映した動きにはならないかも知れませんね。

個人的な見解としては、不動産の買い時は2020オリンピック開催一年後あたりから2~3年の間かも知れません。
あとはアメリカ大統領選挙、中東情勢、米中貿易摩擦などの外圧の影響がどの程度あるかで推移するでしょう。

コロナ禍で情勢は変わってきていますが、一つの流れとしてはここで書いたような流れになると考えています。
今回はここまで
最後までお読みいただきありがとうございました。
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