北朝鮮 金正恩朝鮮労働党委員長の妹である金与正氏。
これまでは常に笑みを浮かべていて「微笑み外交」などと呼ばれていいてにこやかな姿を見せていたのですが・・・
ここにきてスマイルは消え、挑発的な表情と発言を見せています。
いったいなぜ、彼女にこのような変化が起こったのでしょうか?
金正恩氏の実の妹である金与正氏、皆さんもテレビなどでご覧になったことがあると思います。
ピョンチャンオリンピックなど、いままでマスコミに何度も登場しています。
端正で清楚な印象のその顔は、いつも笑みをたたえていました。
金与正氏は・・
現在、朝鮮労働党でのポジションは調整委労働党第一副部長、政治局員候
これまで、常に金正恩委員長に同行し、委員長の秘書的な役割を果たしてきた金与正氏でしたが、ここにきてその存在感が高まっています。
次期「朝鮮労働党委員長候補」?
アメリカCNNが「金正恩危篤説」を報道していましたが、北朝鮮はそれを打ち消し、その後確固たる情報もなく、
その後、アメリカ政府もその情報について「真実ではない」としました。
実際の所どうなのか?はうやむやになっています。
しかしながら、明らかに金正恩委員長の露出度は極端に減少したのは事実です。
なかには「死亡説」まで呟かれる状況です。
それとは反対に金与正氏が度々表舞台に顔を出して発言するようになっています。
私が思うに
金正恩氏は、かなり体調が悪いのではないのでしょうか?
それがゆえに後継者を決め、その後継者の地位を固めておかなければならない状況にあるのではないかと想像しています。
その後継者が金与正氏ということなのでしょう。
金正恩氏の後継者となるべく自身の権力を知らしめるために、
金与正氏はスマイルを打ち消し、朝鮮労働党委員長候補としての顔になる必要があったのではないでしょうか?
北朝鮮国内の困窮
北朝鮮国内の「新型コロナウイルス」感染に関する状況はまったく発表されていませんが、
その感染は他の国々と同様に拡大していると考えられます。
中国と国境を接し、人の行き来もある北朝鮮に感染が広がらないとは考えにくいからです。
当然のことながら、北朝鮮でも「新型コロナウイルス」の感染防止・拡大防止についての対策が取られているでしょう。
北朝鮮では医療システムの充実度がそれほど高くないと思われるので、なおさら感染拡大対策には力を入れざるをえません。
その一つは「国境封鎖」です。
当然、北朝鮮に隣接する各国でも同様に「国境封鎖」が行われています。
中国やロシアは、北朝鮮と輸出入の貿易関係がありますが、「新型コロナウイルス」対策による「国境封鎖」によって物資の輸出入と外貨獲得の道はかなり閉ざされていると思われます。
生活必要物資の充足度についても、経済的な面をとっても、かなり厳しい状況なのではないでしょうか?
本当ならば韓国に泣きついて、援助を引き出したいはずですが、経済制裁が緩和せれていない現在の状況では期待薄です。
韓国を脅して、トランプを動かしたい
そんな切羽詰まった状況の中で、北朝鮮がとる常套手段は「脅し」です。
・南北融和政策を捨てると宣言し「南北共同事務所」を爆破。
・脱北者が北朝鮮批判のビラを風船にのせて北朝鮮にバラまいたことを痛烈に批判し、対抗策として韓国批判のビラをばらまく。脱北者を「人間醜物」「雑種犬」「くず」と非難している。
・開城工業地区の撤退、北南軍事合意の破棄にまで言及する発言。
また金与正氏本人の談話として
「私はもともと悪いことをする奴より、それを知らないふりをしたりけしかけたりする奴がもっと憎かった」
「(南朝鮮当局は)くずたちの茶番劇を阻止する法律でも作らなければならないだろう」
引用元:「毒舌家」金与正の猛烈批判に唯々諾々の文在寅政権
(朴 承珉:在ソウルジャーナリスト)
という手厳しい談話も発表されています。
このような韓国への痛烈な批判はの目的は
・韓国側からの歩み寄り
南北融和政策を掲げる文在寅大統領が「まあまあそんなに怒らないで仲良くしましょう」と言ってくることを期待している。
・韓国を通じてアメリカ(トランプ大統領)に経済制裁の緩和を求めて欲しい
仲良くする交換条件として「仲良くしたいなら経済制裁を緩和するようにアメリカに言え!」といってここから活路を開いていく。
ということなのではないでしょうか?
韓国から援助を引き出し、北朝鮮が現状の困窮状態を抜け出すことができれば、金与正氏支持の足場が固まることに繋がります。
そのために、今は韓国を痛烈に批判し、向こうから頭を下げて来るのを待っているような気がします。
恐らく、今後はそのような流れになっていくと思いますが、当のトランプ大統領はすっかり朝鮮半島から興味がなくなってしまったかのように思われるので・・・この北朝鮮の作戦は難航するような気がします。
あくまで私見ですので、今後の情勢を見守ってみましょう。
最期までお読みいただきありがとうございました。