分譲マンションは都会的な生活を望まれる消費者に大変人気があります。
分譲マンションの特徴として同じ建物で、一部屋一部屋所有者が異なります。
その所有形態に起因する問題や、そのほかにも問題が潜んでいる場合があるのです。
今回はそのことについてお話しましょう。
マンションは都市型住宅として発達してきました。
ここ30年ほどでは高層マンションやその後のタワーマンションの出現など、その進化には目を見張るものがあります。
マンションの利点と言えばセキュリティ面に優れることや、玄関の施錠一つで出かけられる気軽さ、建物や庭などのメンテナンスからの解放などがあります。
以前は「いつかは土地付き一戸建て」と言われていたものが、特に大都市周辺では「マンション派」「一戸建派」と志向が二分しています。
生活習慣の変化や労働環境の変化もあり、夫婦共働き世帯には、マンションのセキュリティと利便性が魅力の一つとなってきているのです。
今回は「マンション購入する際に注意すること」についてお話しましょう。
目次
1.マンションの立地条件
一般的に考えて、なぜマンションを選ぶのか?予算の都合など人によって多少の違いはあるかと思いますが、マンションの利点の一つは利便性です。
特に都市部では、主要都市(主なオフィスエリア)からの移動時間と最寄り駅からの徒歩距離が、マンションの値付けやその後の資産価値に多大な影響を及ぼします。
またどの鉄道沿線にあるか、どの駅が最寄かが価格を左右します。
多くの人が住みたい沿線や街を選ぶということが重要になります。
そのような意味合いで立地に関して考えていただきたいのは以下の項目になります。
◆可能なかぎり人気のある沿線を選ぶ
◆可能なかぎり人気のある駅を選ぶ
◆最寄り駅からの徒歩所要時間はできれば9分以内(坂道などがあってパンフレット表示と実際が異なる場合があるため一度は歩いてみましょう)
◆商業施設などの利便性が良い場所を選ぶ
◆大規模開発物件やタワーマンションは利便性が高い場合が多いので選択肢に入れる。
2.マンションの新築後経過年数
1981年6月1日に耐震基準が改正されました。
一般的には1981年5月30日以前に建築確認許可を受けたものを「旧耐震基準」の建物、同年6月1日以降に許可を受けたものを「新耐震基準」の建物と言われます。
阪神淡路の大震災以降、消費者の耐震に対する意識は高まり、「旧耐震基準」の建物は敬遠される傾向にあります。
決してすべての「旧耐震基準」の建物が地震に弱いというわけでは無いのですが、マンションを購入する際に、すべての建物の耐震強度がデータ化されているわけでは無いため、ひとつの判断材料として耐震基準の改正が意識されるのです。
また東日本大震災以降では「免震構造」「制震構造」などのマンションも多く作られましたが、同時にダンパーのデータ改ざんという事案も発覚しました。
いずれにしても、消費者の地震災害回避意識が高くなっているので、これから住まいを買われる方は「新耐震基準」のマンションを選択したほうが無難です。
一方で、賃貸で借りる人のなかで、特に単身世帯はそのあたりの意識が比較的強くないとも言えますので、賃貸用として購入されるなら、比較的求めやすく、投資利回りも高めの「旧耐震基準」のものを購入するという選択肢もあると思います。
3.マンションの管理状態
新築マンションの場合は、分譲後に所有者全員による管理組合が発足し、管理組合から委託される形で管理会社がマンションの管理を代行します。
一般的には分譲会社の関連企業が管理を請け負うことがほとんどです。
管理会社は、修繕積立基金と修繕積立金をもとに長期修繕計画を立案し、管理組合に提案します。
定期的に修繕を行わないと建物が良好な状態で維持されないため、この修繕計画は非常に重要なものになります。
修繕計画の中で修繕費用が不足する場合には修繕積立金の値上げや修繕一時金の徴収が行われます。
場合によっては修繕計画自体が見直され、修繕を先送りにすることもあります。

マンションの管理が良好に行われているかということがマンションの資産価値維持などに影響するため、新築マンション・中古マンションに関わらず、マンションを購入する場合には以下の事について必ず確認するべきです。
◆長期修繕計画の内容と実施状況
◆修繕積立金の積み立て状況
◆管理費・修繕積立金の滞納状況
◆管理費・修繕積立金の値上げ予定
◆駐車場に多くの空きがある場合は、駐車場利用料分についてマンション維持管理に関する資金が不足する場合があるので注意する
◆セキュリティの状況も仲介業者へのヒアリング等で確認しておく
また日常の管理が良好になされているかについても注意が必要です。
清掃の状況や共用部の樹木の手入れ、共用部の消耗品(電球など)の交換、駐輪場の整頓状況などを実際に見て、管理状況に問題がないかを確認しましょう。
ちなみに、管理組合の役員は持ち回りで選任されることが多いのですが、育児や仕事の関係など、役員の仕事が負担になる場合があります。
特に大規模修繕の実施内容を決まるようなタイミングは役員の負担が重くなる可能性がありますので、役員の選任方法や役員になるタイミングも考慮しておいたほうが良いでしょう。
話は少しずれますが、バブル期に建てられた豪華なマンションは維持管理や修繕にお金がかかる場合が多く、修繕積立金が高額になることがあります。
また一般的には戸数が多いマンションは管理コストが比較的安い傾向にありますので覚えておくと良いでしょう。
4.マンション建物外部の状況
中古マンションを購入する場合、一般の消費者が建物を目視して建物の状況を判断することは不可能かと思います。
また、購入時に専門家を頼んで建物の検査をしてもらうというのも費用や時間の問題で難しいと思います。
では、どうやって建物の状況を判断するか?以下の点で確認をするというのが現実的です。
◆過去の修繕履歴・今後の修繕予定を管理会社の資料で確認する
◆鉄部の錆(多少のものは除く)・コンクリート部分に大きなひび割れが無いか目視で確認する。
◆タイルの割れ、欠落が無いかを確認する
◆コンクリート部分に内部の鉄筋が錆びるて膨張することによる爆裂が無いかを目視で確認する。
◆雨も降っていないのに濡れているような場所があれば状況を確認する
5.マンション部屋の内部の状況
◆専有部分の雨漏り・水漏れの履歴を仲介業者に確認、見学の際にも天井や窓の周り、壁に雨漏りの形跡が無いかを目視確認
◆北側の部屋の壁や窓の周りに結露によるカビのあとが極端に無いか
◆水道などの下に配管の錆による赤水が出た形跡がないか目視確認
◆バルコニーのコンクリート壁にひび割れ等が無いか
◆バルコニーの排水口が落ち葉などで常態的に詰まっているようなことは無いか
◆壁クロスに大きなひび割れが無いか

見て気になることや、何か問題があるようであれば、遠慮なく仲介業者や専門家の意見を聞きましょう。
利害関係のない第三者の意見を聞くことができるのがベストです。
今回はここまで
最後までお読み頂きありがとうございました。
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