近年の大阪の変貌には目を見張るものがあります。
2025年の大阪万博、そしてIR参入。
「IRができれば大阪はマカオになる。」中国の人はそう思っているようです。
最近インバウンドで賑わっている大阪ですが、都市としてあるいは投資対象としてのポテンシャルはどれほどのものなのでしょうか?
自分は長年東京でビジネスを経験してきて、4年前に大阪で仕事をするようになりました。
東京では北海道から沖縄まで全国の案件を手がけてきました。
また、ニューヨーク、シンガポール、台北など世界の都市もいくつか見てきました。
大阪に来た頃の率直な印象は「安い!」でした。食べ物なども東京と比べるとずっと安いと思いましたが、とにかく土地やマンションが安い印象でした。
地価上昇のメカニズム
物の値段は需要と供給によって決まります。
需要を供給が上回れば値上がりしますし、逆であれば値下がりします。
東京や世界主要都市の地価がなぜ高いかと、需要が多いからなのです。
ではなぜ需要が多いのか?都市としての魅力があるから「住みたい」「働きたい」「学びたい」という人が多いからに他なりません。
そこに投資家が目をつけ投資として不動産を買うことになると値上がりは加速します。
また観光資源があって観光客が増えるとホテルビジネスが盛んになり、事業者はホテルを建てるために土地を買うことになり、これも地価上昇の理由の一つになります。
大阪の地価はなぜ上がらなかったか
バブル経済崩壊後、日本では東京一極集中が加速することになります。
大阪の企業も生き残るために本社機能を東京に移していきました。
それによって外資企業も含め大阪のオフィス需要が落ち込みました。
また、神戸や大阪の港は「阪神淡路大震災」の影響も含めて、競争力を失っていきました。
そうなると大阪の不動産マーケットはドメスティックで限定的なものになっていきます。大阪の土地は大阪の人しか買わないという状況に陥ります。
「そんな高いもんよう買わんわ」というような大阪人気質も影響してるかもですね笑
大阪都構想からの流れ
橋本元大阪府知事の大阪都構想以来、大阪維新の会の活動などもあり、大阪を再び盛り上げようという気運が強くなりました。
インバウンド誘致、万博誘致、IR誘致、都市再開発など都市を活性化させるために必要なイベントは今後も続いていきます。
松井市長は2025年の万博開催前にIRをオープンすることを目指しています。
都市再開発で大規模なものは大阪駅北ヤードの第二期工事です。
コンペで三菱地所他JVに事業者が決定し、近く着工する予定です。
大阪駅の北側はJR所有地でしたが第一期でグランフロント大阪やヨドバシカメラができ、第二期が完成すればスカイビルまで都市が繋がることになります。
商業都市としてのポテンシャル
難波から心斎橋にかけての外国人観光客の多さには目を見張る物があります。
有名な道頓堀にかかるえびす橋が重さで落ちそうなほど外国人観光客だらけで、日本人を探すのが大変なほどです。
某外資系シンクタンクが出したレポートでは、大阪の「商業モメンタム(勢いのこと)」は2019年世界のトップにランキングされました。
また、大阪は「民泊特区」に指定されている事から観光客を当て込んだ民泊がまだまだ作られていきます。
「大阪を外人に取られてしまうみたいで嫌やなぁ」と思う人もいるかもしれませんが都市が成長する上で良いことだと思います。
外国人観光客にドンドン来てもらいましょう。
大阪の不動産の魅力
一時外資系ファンドが大阪ミナミの商業ビルを盛んに買いました。
それによって北の梅田よりミナミの心斎橋・難波の地価が大きく上昇し「ミナミが北を抜いた」と新聞でも取り上げられました。
いま外資系企業はキタとミナミの間のオフィス街のビルを買っています。
日本ではまだ未成熟ですが海外ではシェアオフィスが盛んで、大阪にもシェアオフィスが多く出来ることになるでしょう。
ただ大阪駅から難波にかけての地価は既に高騰しており、個人が今から投資するには少々敷居が高くなってしまいました。
この立地であればタワーマンションを安定的投資目的で買うことでしょうか?
魅力的なのは元々地価が安い天王寺周辺や万博・IR予定地の夢洲へ交通が繋がる西側の福島区、此花区、港区、大正区あたりでしょう。
「あんなとこアカンのんちゃう?」と大阪の人は言うかもしれませんが、そんな事を言ってたら置いて行かれます笑。
ただしその中でも立地や建物用途はよく考えて下さいね。
良い場所で小さくても土地を持っていれば隣地でホテルを計画する企業が高く買ってくれるかもしてません。
いずれにせよ不動産投資目的として大阪は非常に楽しみな場所なのです。
今回はここまで
最期までお読みいただきありがとうございました。
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