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不動産、相続、投資

資産形成の極意 ☆「資産の棚卸し」と「資産の組替え」は早く手をつけるほど効果的!

不動産投資をされている方、相続等で譲り受けた不動産をお持ちの方、あるいは広すぎる自宅をお持ちの方。

あなたが所有している不動産資産ポートフォリオは適正ですか?

「不動産バブル」が崩壊してから30年以上が経ちます。

 

不動産は所有していれば値上がりする時代はとっくに終わっています。

にもかかわらず「使わない」「適正な収益をあげていない」不動産をただ何となく所有している方がまだまだ多いのも事実です。

 

人の寿命には限りがあります。

それらの「有益でない不動産」は、妻や子供、孫に相続されます。

本人にとっては「思い入れ」のある資産かも知れませんが、

「有益でない不動産」を相続した側はどう思うでしょうか?

「有難い」と感じるでしょうか?

 

不要資産の処分(具体例)

先日、以前からお付き合いのあるクライアントから連絡がありました。

その方は70歳代の独身女性で、以前ご自身が所有する都内の不動産のお世話をさせていただき

その売却資金で都心の有料老人ホームに暮らしています。

今回の依頼内容は、

「老人ホームで知り合った方が無くなり、その方から遺贈を受けた長野県の土地を処分したい。」

というものです。

私が転勤で大阪にいるもので、一度は他の方に処分を依頼したそうなのですが埒が明かずに困って連絡を頂いたようです。

 

その土地はなかなかややこしい土地で、なんでも「長野新幹線」が通る予定地で道も無いような土地を投資目的で購入したものでした。

ところが、土地の買収を断念したのか、新幹線は地下を通ることになり、結局その投資は上手くいかなかったのです。

なおかつ、その土地は10人程の他人が共有で所有しているというもので、所有関係もなかなかややこしいものでした。

 

彼女は子供もいないため、自身が所有する資産は「親友」に遺贈する予定で「遺言」も書いていましたが、

このように「ややこしい不動産」を持っていては「親友」の迷惑になるのでタダでも良いから手放したいのだそうです。

 

普通なら欲しがる人がいないような不動産でしたが、

長野県に不動産屋の知り合いがいくつかあったので連絡してみました。

するとその中の一人が

「他ならぬ kouziii さんの話なので社長と掛け合ってみる」

と言ってくれたのです。

「結果的には使い道は無いが、50万円でなら引き取っても良い。」

ということで50万円で引き取ってもらいました。

 

今回はボランティア案件だったので一切フィーを頂きませんでしたが。

クライアントは非常に喜んでくれ、長野の不動産屋さんからはその後たくさんの「ブドウと林檎」が送られてきました。

 

この案件は幸い早く片が付きましたが、処分に苦労する不動産も多くあります



資産ポートフォリオの見直しは「棚卸し」から

不動産に限ったことではありませんが、自身の資産について適正なものにしておくことは重要なことです。

適正なポートフォリオになっている資産は相続などで受け取る側にとっても「有難い」ものになっているはずです。

 

では、どうやって自身の不動産ポートフォリオを適正なものにするのか?

 

まず初めにしなくてはいけないことは「資産の棚卸」です。

金融資産や不動産資産の一つ一つを客観的に分析してみることから始めます。

 

それにはある程度の指標が必要なのですがそれほど細かく見る必要はありません。

棚卸の際の分析ポイントをあげてみましょう。

 

・資産価値

現預金であれば額面のままです。

有価証券などは時価で評価してください。

不動産については可能であれば「ネットで無料査定」してくれるサイトがありますので活用するのが良いと思います。

 

・収益性

その資産が年間にどれくらいの収益を上げているか?ということをチェックします。

現預金であれば預金金利程度です。

有価証券の場合には過去の値上がり額と配当額を所有年数で割ってみると良いかもしれません。

不動産の場合には「年間収益 - 所有・管理コスト(修繕費・固定資産税等含む)」となります。

この収益を「資産価値」で割ってみるとネット利回りがわかります。

 

例えば資産価値が5,000万円のアパートで収益が200万円であれば

200 ÷ 5,000 = 4%

となって、利回り4%ということになります。

 

・相続税評価

金融資産の相続税評価額は時価とされているので「資産価値」とイコールになります。

面倒なのは不動産です。

不動産の相続税評価額は

土地は路線価、建物は固定資産税評価を基準にして算出することになっていますが、

「人に貸しているものは評価が下がる」という貸家評価・貸家建付地評価というものがあります。

 

相続税評価額を素人が正確に算出することは非常に難易度が高いのですが一つ比較的簡単な方法をお教えしましょう。

所有している不動産について最新の「固定資産税・都市計画税納税通知書」を用意してください。

それぞれの土地・建物について、そのなかの「価格」(恐らく一番高い金額)を見て下さい。

 

建物についてはその「価格(固定資産税評価額)」がそのまま相続税評価になります。

土地については

「価格(固定資産税評価額)」× 8/7 = 概ねの相続税評価額

 

となるはずです。

 

というのは相続税評価額のもとになる「路線価」は公示価格の8/10程度

「固定資産税評価額」は公示価格の7/10程度とされているからです。

 

ただし不動産を貸している場合はさらに計算が必要です。

 

貸家評価(建物)

アパートやテナントビルのように人に貸している建物は貸家評価となり相続税評価額が下がります。

その場合の評価は

固定資産税評価額 × (1- 借家権割合(通常は0.3)× 賃貸割合*) = 貸家評価(建物の相続税評価額)

*建物の全部を貸していれば1、半分貸していれば0.5など賃貸部分の割合 。

 

貸家建付地評価(土地)

一方でアパートやテナントビルなど人に貸している建物の敷地については「貸家建付地」として評価が下がります。

その場合の計算は

更地の評価額(固定資産税評価額の8/7で求めた価格) × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合 )= 貸家建付地評価(土地の相続税評価額)

となります。

賃貸割合は建物と同じ

借家権割合は通常0.3

借地権割合は地域によってことなりますので、国税庁が出している路線価図を確認する必要があります。

以下のリンクから確認できるので確認してみて下さい。

・令和2年分財産評価基準書路線価図・評価倍率表

・流通性

次に各資産の流通性を見てみます。

上場有価証券などすぐに現金化できる資産は流通性にすぐれています。

一方で不動産についてはすぐに現金化できないため注意が必要です。

 

不動産でも買いたい人のニーズが想定でき短期間(1~3ヵ月程度)で売却できる場合は流通性に優れていると言えます。

逆に、ニーズの少ない別荘や、農地、山林など売るのに苦労する、あるいは売れないかもしれない不動産は流通性に乏しい不動産ということになります。

 

 

・保有負担

現預金や有価証券は所有していても手間もコストもかかりません。

自働車や船舶などは税金や管理・メンテナンスコストがかかります。

 

資産のなかで不動産は最もコストと手間がかかる資産であると言えます。

建物の修繕や土地の草刈りなど、お金や手間がかかります。

 

建物は一般的に老朽化すればするほど手間やコストがかかってきます。

自分で住んでいる場合は、自分の事情やペースで考えることもできますが、

アパートなど人に貸している場合はそうもいきません、年中テナントからのクレームに悩まされるということも少なくないのが現実です。

 

最終的に建物を建て替えようと思っても建築には多大な資金が必要ですし、テナントに一度出てもらうのも思うようにいかない場合があります。

 

不動産を所有するということは自宅だけでも大変な場合がありますが、老朽化した賃貸物件を持っている場合には心理的な負担が大きいのです。

 

 

資産ごとに点数をつける

ここまでできれば資産ごとに点数をつけるのですが5点満点で1~5の数字を付けるのもなかなか判断に迷うところです。

素人の方がご自身で点数をつける場合は〇△✖の3種類で良いのでは無いでしょうか?

 

点数の付け方について大まかに説明します。

資産価値

〇・・・買った金額とそれほど遜色ない金額で売れる。一般的にまあまあのお金になるなど。

△・・・買った金額よりかなり値下がり。まあこんなもんか・・というような金額。

✖・・・こんな安いの?二束三文など。

 

収益性

〇・・・利回り5%以上

△・・・利回り3%以上

✖・・・利回り3%未満、またはマイナス

 

相続税評価

〇・・・資産価値 > 相続税評価額

△・・・資産価値 = 相続税評価額

✖・・・資産価値 < 相続税評価額

 

✖のものは相続の時に不利になります。

 

流通性

〇・・・すぐに現金化できる。上場有価証券など。

△・・・現金化するのに少し時間がかかる。売りやすい不動産など。

✖・・・現金化するのにかなり時間がかかりそう。売れるかどうかわからない不動産。

 

保有負担

〇・・・現預金、有価証券など負担が無い。

△・・・比較的手がかからない不動産。建物が新しい不動産など。

✖・・・古くなって頻繁に修繕をしなくてはいけない。テナントが決まらず悩ましいなど。

 

「棚卸し」をしたら分析してみましょう

棚卸をした結果についてご自身で分析してみましょう。

幾つかの分析例をあげておきます。

分析例

【資産価値が✖】

その資産が必要なもの(自宅など)であったり、収益性が良い不動産である場合には引き続き所有している価値があります。

現状で資産価値が低い資産は将来資産価値が向上する可能性も低いと考えられます。

しかし、必要ではなく収益性も良く無ければ思い切って売却し、多少であっても資金化してその資金を他に使うべきです。

 

【収益性が✖】

その資産が必要なもの(自宅など)の場合や、明らかに値上がりが期待できる場合は引き続き所有する意味があります。

そうでない場合、まずは収益性を向上させる可能性(有効活用など)を考えてみましょう。

結果的に収益性の向上が期待できない場合には、売却をして収益性が良い資産に組み替えることを検討すべきです。

また、自宅の場合でも明らかに広すぎる場合には、敷地の一部を有効活用することや他の資産に組み替えることを考えてみたほうが良いかもしれません。

 

【相続税評価が✖】

自宅などは別として、資産価値よりも相続税評価が高い資産は、そのまま所有していると相続の時に不利になる可能性があります。

賃貸用不動産するなど評価を下げることや、売却して相続税評価が低い資産に組み替えることを検討しましょう。

タワーマンションへの組み替えは相続税評価が大幅に下がるため、相続の時に有利に働きます。

また、自宅の場合でも明らかに広すぎる場合には、敷地の一部を有効活用することや他の資産に組み替えることを考えてみたほうが良いかもしれません。

 

【流通性が✖】

自宅や自身で耕作している田畑等、生活に必要な資産の場合は別として、流通性は低い不動産は資産価値も低く、改善される見込みもほぼありません。

収益性が良い場合は所有している価値もありますが、そうでない場合にはできるだけ早期に売却することを検討しましょう。

時間がかかっても辛抱強く売却活動をしてください。

場合によっては市に寄付することを考えても良いと思います。

 

【保有負担が✖】

所有していることが大きな負担になるような不動産は相続する側にとって有難迷惑です。

負担を軽くする方法を考えましょう。

負担を軽くすることが難しければ、売却して他の資産に組み替えることを検討してください。

 

【その他】

例えば子供が2人以上いるのに、分割することが難しい資産だけをお持ちの場合。

それを共有で相続する子供が仲たがいしてしまう可能性が大です。

例えば自宅兼賃貸用のビル一棟だけを主有しているような場合には、相続の前に売却して現金化するか、分割しやすい資産に組み替えておくべきです。

以上、「資産の棚卸し」「資産の組み替え」についてお話しました。

「資産の棚卸し」については独自のツールによる分析を提供している不動産会社もあります。

自分でやるのが難しいと思う方は一度相談してみてはいかがでしょうか?

参考:資産ドック「三井不動産リアルティ」

この記事に関するお問い合わせは以下のフォームからお願いします。

 




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