冬はお鍋の美味しい季節です。
昔から日本人に愛された鍋料理だけに、日本各地には多種多様な「ご当地鍋」が存在します。
「ご当地鍋」の中には、地元地産地消の美味しい具材が盛りだくさん。
どれもホッコリするたまらない美味しさです。
私は、冬キャンプをするのですが、寒い夜には「鍋料理」が最高なんです。
ご当地鍋を知っていると、キャンプ飯のレパートリーも広がること間違いなし。
是非、つくり方も覚えてください。
今回は東北地方の美味しいご当地鍋をご紹介します。
東北地方のご当地鍋
きりたんぽ鍋(秋田県)
きりたんぽ鍋は鶏ガラと調味料で作った汁に炊いたご飯をすり潰したものと野菜を入れた鍋料理。
大館・鹿角地方が発祥の地で、炭焼きや伐採のために山籠りをした人々が、残り飯をつぶして棒に刺して焼いて食べていたものを鳥鍋に入れたことが始まりと伝えられます。
重要な具材であった比内鶏が、秋田県産種の鶏として国の天然記念物に認定され食べられなくなった時期があったが、当時の比内町の町長の声がけで「比内地鶏」が誕生し、再び家庭の味として復活しました。
比内地鶏は元来のキジや山鳩に肉の組織が似ていて脂がきめ細かく、「たんぽ」との相性は抜群です。
串に刺し焼いたご飯ががまの穂に似ており、短い穂の意味である「短穂」から「たんぽ」と呼ばれるようになったとされます。
「きりたんぽ」とは、この「たんぽ」が鍋に入る長さに「切った」ものです。
参考レシピ:うちの郷土料理「きりたんぽ鍋」
しょっつる鍋(秋田)
「しょっつる鍋」とは秋田に伝わる魚醤・塩魚汁(しょっつる)を出汁に、ハタハタを入れた鍋料理。11~12月に旬を迎え、秋田沖が日本で最も獲れる漁場でもあることから、秋田の冬のなじみの鍋とされます。
魚を塩漬けにし1年以上魚が溶けるまで寝かせたものをこして、うまみ成分を取り出した魚醤を「しょっつる」といい、主にハタハタを用いて作られます。
醤油が高級品であった時代に醤油の代わりの調味料として編み出された秋田県の伝統的な調味料です。
ハタハタは通常は水深500メートルの深海に住む魚で、海が荒れて雷鳴がとどろくような時に、産卵期の一時期のみ大群で近海に現れることから、雷光の古語である「霹靂神(ハタハタがみ)」の名からこう呼ばれるようになりました。
上品な味わいのハタハタの身とプチプチとした魚卵「ブリコ」に、あっさりとしたスープとしょっつる独特の風味は相性抜群で、まろやかなコクがあります。
参考レシピ:うちの郷土料理「しょっつる鍋」
どんこ鍋(岩手)
ドンコは、エゾイソアイナメ、チゴダラの別名で、秋から冬にかけて旬を迎える魚です。
宮城県内では主に石巻港と気仙沼港で水揚げされ、漁獲量は年々減っているようです。
口が大きく腹が膨れ、尾にかけて細くなることから、「大きな口からたくさん入って、小さな尻から出ていきにくい」として、お金が貯まる縁起魚ともいわれている。それゆえ、気仙沼地方では大漁、商売繁盛を祈願してえびす講の日に神棚につるし、それを汁にして食べる風習があります。
ドンコは冬になると身が締まり、肝も脂がのって一段と美味しくなり、身と骨が柔らかであるのが特徴。
白身で身にも皮にもクセがなく、タラのような上品な味わいで、身よりも肝のほうが好まれる傾向にあり、三陸地方では古くからなめろう、丸焼き、から揚げ、鍋や汁物にして食されてきたが、いずれの料理にも肝は濃厚な風味を与えてくれます。
「どんこ鍋」は、味噌と相性の良いドンコをたっぷりと用いた冬の味覚。
体を芯から温める郷土料理として、沿岸部を中心によく食されています。
参考レシピ:うちの郷土料理「どんこ汁」
義経鍋(青森)
青森県の中でも馬肉料理が盛んな五戸町。
馬とともに暮らす文化が根強い南部地方の中でも、馬の仲買人が多い町として明治時代から馬肉鍋を食べられてきました。
精肉店で馬肉を扱うだけでなく精肉店直営や提携の飲食店もあり、馬刺し、焼肉、しゃぶしゃぶなどの食べ方で楽しめます。
その中でも、鍋と鉄板を合体させた兜形の鍋で食べる五戸の名物「義経鍋」が特徴的。
鉄板焼きと水炊きを同時に味わう欲張り鍋です。
野菜類を鍋で煮込みつつ鉄板で馬肉を焼いて食べる独特なスタイルです。
参考:まるごと青森「義経鍋」
よされ鍋(青森)
「黒石名物よされ鍋」は、にわとりの一種 黄斑プリマスロック(通称ごまどり)の肉や県産野菜等を煮込み、4種類(塩味・ぽん酢・醤油味・つけダレ)の味付けから2種類選び、仕切りのある鉄鍋で同時に食べる鍋料理です。
「黒石よされ」とは「エッチャホー、エッチャホー」という掛け声が特徴の流し踊りです。
「日本三大流し踊り」の一つとしても有名な、黒石市の夏祭りのひとつとなっています。自由に飛び入り参加でき、踊る人、見る人、皆で楽しむことができます。
「よされ鍋」は、黒石地域の一般家庭で正月又は祝行事などの時に食べられていた鍋料理を復刻した料理。2010年冬から各店舗で提供されています。
「よされ鍋」という名前には「黒石よされ」のように、みんなで楽しめるようにという思いが込められています。
米どころ黒石らしく、飼料用米を与えて育てた鶏肉がメインとなっており、最後は青森県産米で作った米粉うどんでシメます。
参考:黒石観光協会公式サイト
芋煮鍋(山形)
1600年代半ば。山形市の西北に位置する中山町長崎付近は、上方から物資を運んだ舟が、酒田経由で最上川を上りここへ到着する場所でした。
ところが、船頭たちはそこで何日も待たされるため退屈しのぎに近くの老松に鍋を掛けての野宴がひらかれました。
船着場の近くにはさといもの名産地、小塩集落があり、頼んで売ってもらったさといもと積み荷の棒ダラなどを鍋で煮て食べたことが、芋煮のルーツだと伝えられている。
江戸時代後期には、山形県に移り住んでいた近江商人たちが、ニシンとさといもを煮て紅花取引きの慰労会を行ったとの記録があり、その後、明治に入って街の粋筋たちがこのような楽しみ方を身近な河原へ持ってきたとされます。
また山形歩兵32連隊が「芋煮会」と名付けたとの話も残っています。
仙台せり鍋(宮城)
せりは春の七草として、一般的には七草粥で食べるくらいしか思い浮かばないかもしれませんが、せりをメインにしたせり鍋は、セリの名産地・宮城県の冬の風物詩ともいわれる郷土料理です。
「仙台せり鍋」が広まったのは、ここ10年くらいだそうです。
そもそも宮城県はせりの生産量全国第1位。
ビタミンCや食物繊維を多く含むこのせりをたっぷりと鍋に入れて、根っこの部分まで食す「仙台せり鍋」を新たな仙台名物にしようと、おもな産地である名取市のせり農家さんと仙台市内の居酒屋さんが開発に取り組んで生まれたものです。
震災後に被災地の応援という意味もあって注目され、仙台出身の某人気漫才コンビが紹介して、一気に全国区となりました。
あんこう鍋(福島)
いわきの冬を代表する「あんこう鍋」。
骨以外捨てるところがないと言われるあんこうの「7つ道具」(1.だい身(柳身)2.水袋(胃)3.とも(ひれ)4.えら5.皮6.肝7.ぬの・ぬの袋(卵巣))を煮込んだ鍋は、旨みがギュッと凝縮されているうえに、部位ごとに異なる食感が楽しく、ひと口、もうひと口、とつい箸が進んでしまいます。
あんこうをより極めたい人は、水を使わず、あん肝と味噌と野菜だけで作る濃厚な「どぶ鍋」にチャレンジしてみてください。
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