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カーボンヘルメットってどうなの ☆ そのメリットとデメリットを解説

カーボンヘルメットは軽くて首や肩への負担が少なそうですね。

以前から興味はあったのですが、驚くのはその値段、かなり高価なものが多い。

中には40万円を超えるものもあります。

最近は、レースでもほとんどカーボンヘルメットが使われていますが、はたしてFRPよりも優れているのでしょうか?

 

 

カーボンヘルメットをバイク用品店で手にしてみると

「確かに軽い!」

楽そうで良いな・・・と思います。

メーカーによってはカーボンヘルメットでも比較的リーズナブルなものもあるようなので

実は私も密かにWINSあたりを検討しているのですが・・・

「実際のとこどうなの?」

と思って調べてみました。

 

 

まずヘルメットのしくみから

ヘルメットは、外側からヘルメットの外殻「シェル(帽体)」と、衝撃エネルギーを吸収するための「ライナー」から成り立っています。

シェルには、いくつかの材質が用いられており、使われる用途などで大きく分類され、「FRP(強化ガラス繊維)」や「ABS樹脂」などが使われています。

ヘルメットのライナーは、発泡スチロールから出来ており、強い衝撃が加わるとへこむことにより、衝撃エネルギーを吸収します。

基本的に一度へこむと戻らないため、ヘルメットに一度でも強い衝撃を受けてしまったら、二度と衝撃を吸収することが出来なくなり大変危険なのです。

強い衝撃を受けても、外観上全く無傷に見えることがありますが、ほとんどの場合内側のライナーに損傷が生じています。

そのため、各メーカーでは、事故や転倒などで衝撃を受けてしまったら、そのヘルメットを使い続けずにすぐに交換することを推奨しています。

 

 

 

ヘルメットは熱に弱い

ヘルメットの部品等にはプラスチック材質が多く使われています。

プラスチックは熱には弱いため、ヘルメットに熱を与えると、ヘルメットのあらゆる材質が変質してしまい、ヘルメットの性能が発揮されなくなります。

暖房機の近くや、車中などの異常に温度が上がる場所、真夏の直射日光が当たる場所などには、絶対に保管してはいけません。

また、メンテナンスの際も、50℃以上の熱湯を用いて丸洗いしたり、洗浄するのも良くありません。

 

素人が塗装してはいけない

ヘルメットの基本材質は、有機溶剤系のラッカースプレーなどには大変弱く、それらが付着してしまうと、シェルやライナーが変質してしまいます。

こうなるとヘルメットとしての役目を果たせなくなり、使い物にならなくなってしまうこともあります。

「オリジナルのヘルメット塗装をしたい」場合には、迷わず専門の業者へ依頼しましょう。

 

ヘルメットの寿命は3年

ヘルメットは使用にともない、素材の老朽・劣化等の経時変化によって、当初の性能が低下してしまいます。

製品安全協会とJHMA(日本ヘルメット工業会)では、ヘルメットの有効期間を「購入後三年間」と定めています。

期間を過ぎて性能が低下したヘルメットは、事故や転倒の際に十分な保護性能を発揮しない恐れがあります。

また、乱暴な扱いをすると、寿命はさらに縮まります。

 

ヘルメット安全規格

ヘルメットには、いくつかの安全基準があります。

PSC
消費生活用製品安全法という日本の国が定めた法律に基づく基準で、この法律で指定された製品はPSCを取得していないと販売が出来ません。

SG
こちらは(一財)製品安全協会が、製品の安全性を認める任意の制度。このマークが付いている製品の欠陥により人身事故が起きた場合被害者に対して最高1億円の損害賠償が支払われます。

JIS
Japanese(日本の) Industrial(工業) Standards(規格) その名の通り日本の標準となる規格。これもまた任意なのでJISを取得してないと販売してはいけないということはありません。

SNELL
世界で最も厳しいと言われるアメリカのスネル規格。
スネル規格の特徴として 「最大可能な防護こそ、望ましい最終的なゴールである」という理念のもとに、対貫通性つまりヘルメットそのものの丈夫さに重きを置いたとても厳しい設定がされています。

DOT
こちらもアメリカの規格。
テスト内容はECEと少し似ており中々難関。衝撃を吸収して頭蓋を守ることに重きを置いたテスト内容になっています。

ECE
国連欧州経済委員会が作成したヘルメット安全規格。
ヨーロッパをはじめとした世界50ヶ国以上で採用されているもはやワールドスタンダードな規格です。
他の規格ではあごの部分までの衝撃テストは行わないがECEはあごの衝撃テスト、縁石にぶつかったことを想定したテストを義務付けています。

MFJ
財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会が定める規格。
日本のモーターサイクルスポーツを統括している組織であり、ここの公認を受けていないヘルメットではMFJ公認競技には出場することが出来ません。

SHARP
安全なヘルメットの評価を行い星の数で格付けを行う検査機関シャープ。
イギリスの運輸省によって開始され、消費者にヘルメットの安全に関する正しい情報を発信していくことが目的。
様々なヘルメットの評価、格付けを行っているヘルメットのミシュラン的存在です。

 

 

 

ヘルメットの素材

ABS(アクリルニトリル・ブタジェン・スチレン)
熱可塑性樹脂 安価で加工が容易な樹脂。
塗装も可能なので乗用車のバンパー等に使われています。
しかし、耐衝撃性はPCに劣ります。

FRP(ファイバーグラス・レインフォースド・プラスティック)
芯となる丈夫な繊維(ガラス等)を熱硬化性樹脂で固めたもの。
軽くて強度があり、加工も容易な素材。ヘルメットの材料に最適です。

PC(ポリカーボネイト)
熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂の中でも高価な材料。
熱や衝撃に強く、ヘリコプターやジェット戦闘機のキャノピー(天蓋)にも使われています。
但し、薬品や有機溶剤には弱く、塗装にもあまり向いていません。

 

カーボン素材についてネット上では

「せん断や衝撃、表面の損傷に弱い」
「降伏せず破断する(しなるが、曲がることはなく破断する)」

「他部品と溶接ができない」

「対候性が落ちるということが最大の欠点」

など、CFRPの欠点を指摘する声も見受けられます。

当然のことながら、各メーカーは強度と耐久性(3年)の基準を満たすための研究を重ねて生産をしているのでご安心ください。

 

 

大手ヘルメットメーカーの技術者のコメント

「ヘルメットの場合に非常に難しいのは、規則や規格で定められている衝撃吸収試験は、あくまでも限られた条件で計測する試験であって、実際の事故を想定したものではないことです」
「ヘルメットは非常に丈夫でなければいけないのですが、ある程度の柔軟性も必要で、強い衝撃を受けた際にも割れにくい素材でなければならない。レース活動を通じた実績から言っても、FRPに勝る素材はないと思っています」

引用元:カーボンヘルメットは最強なのか〜アライヘルメットより

長年、FRPの強度と安全性、それと軽さを追求してきたメーカーだからこそ言える言葉ですね。

 

結論としてカーボンヘルメットは

 

・カーボンヘルメットは強度・安全性ではFRPとほぼ同等

・カーボンヘルメット耐久性ではFRPに劣る

・カーボンヘルメットは塗装に弱いので派手なデザインはより高額になる

・カーボンヘルメットは加工に技術を要するため高価

 

限られた予算のなかで、安全性を考えて選択するのなら

「一流メーカーのFRPヘルメットと、二流メーカーのカーボンヘルメットはどちらが安全なのか?」

ということになりますね。

 

 

「あまり高価なのは無理だけど軽いほうが良いなあ」

というならこのあたりがオススメです。

 

 

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

安全運転で楽しいBIKE LIFEを!

 

 

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