先日仲間と近場ツーリングに行ったのですが、私はセカンドバイクのお気に入りホンダADV160を駆って行ったのです。
私のバイク仲間は、かなりバイクや機械に詳しい人もいるのですが、そんな仲間との会話の中で言われたのが
「ADV160は圧縮比が高いからハイオクガソリンを入れたほうが良いんじゃない?」
メーカー指定はレギュラーガソリンなのですが、なぜそういわれたのか?
少し調べてみました。
ガソリンの種類
まずは皆さんご存じのガソリンについてです。
ガソリンスタンドで売られているガソリンには、レギュラー(画面左/赤)とハイオク(画面中/黄色)があります。
車両によってガソリンの種類を使い分けるのにはなんの意味があるのでしょうか?
ちなみに“軽油(画面右/緑)”はディーゼルエンジン用の燃料でガソリンですらありません。
『ハイオク』は、正式にはハイオクタンガソリンといい、文字通りオクタン価の“高いガソリンのことで、無鉛プレミアムガソリンとも呼ばれます。
エンジンの仕組み
次に、圧縮比の説明をするにあたって4サイクルエンジンを例にとって説明している記事を引用してみます。
①燃焼/圧縮された混合気にプラグが点火し燃焼。膨張力がピストンが押し下げ、動力が発生
②排気/押し下げられたピストンが惰性で今度は押し上げられ、シリンダー内部の排気ガスを押し出す
③吸気/ピストンがさらに惰性で動き、下降することで今度は混合気を吸い込む。
④圧縮/ピストンが再び上昇し、吸い込んだ混合気を圧縮する。
再び①の燃焼へ戻る……というのが4ストエンジン、つまり4ストローク1サイクルエンジンの動きだ。
今回の『ハイオク』が関係するのは、④の“ピストンが再び上昇し、吸い込んだ混合気を圧縮する”部分。
ピストンによって混合気をぎゅぎゅっと圧縮したところへプラグで点火して一気に膨張させるわけだけど、混合気をどれくらい圧縮するかで膨張力(=エンジンパワー)の出方が変わってくる。
圧縮比が低いエンジンよりも高いエンジンの方が発生する膨張力が強く、理論的には圧縮比14、つまり混合気を14分の1の体積にギュッと圧縮したときが、一番大きな膨張力を引き出せると言われている。
ならば圧縮比はなるべく14に近くなるように設定すればいいじゃない!?……と思うかもしれないが、そううまくはいかない。
圧縮比を高くすると混合気はエンジンの熱で自然発火しやすくなり、プラグで点火する前に燃え出してしまうのだ。
これがいわゆる“ノッキング”という現象だけど、圧縮されかかったところで異常燃焼による膨張が始まってしまうものだから、ピストンが押しあがろうとしているのに内部では膨張が始まってしまう。
ピストンを反対に押し下げようとする力が発生するものだからエンジン的には非常によろしくない状況が起きる。
このノッキングが起こると、名称どおり「コッカカカ……」というノック(叩く)するような音を伴ってエンジンが咳き込む。
上昇しようとストロークするピストンが無理矢理押し下げられそうになって出る、エンジンの悲鳴に他ならないのだ。
当然ですがノッキングはエンジンによくない現象です。
1度、2度の発生ならどうこうということはないのですが、日常的に起こるようになると確実にエンジンにダメージが蓄積してしまいます。
この高圧縮比エンジンの弱点である自然発火による異常燃焼を防ぐために必要なのが『ハイオク』ガソリンで、オクタン価とよばれるノッキングしにくさを表す数値が高めに設定されているガソリンなのです。
スポーティなエンジンにはハイオク指定が多い
ちなみに私のメインバイクであるヤマハMT-09はハイオク指定のバイクです。
そのエンジンの圧縮比は11.2。
その他ハイオク指定のバイクを例に挙げると
HAYABUSA (圧縮比:12.5)
GSX-R1000R ABS (圧縮比:13.2)
KATANA (圧縮比:12.2)
V-STROM1050/XT ABS (圧縮比:11.5)
GSX-S1000 (圧縮比:12.2)
GSX-S750 ABS (圧縮比:12.3)
RM-Z450 (圧縮比:12.5)
RM-Z250 (圧縮比:13.75)
一方レギュラーガソリン指定は
V-STROM 650/XT ABS (圧縮比:11.2)
SV650X ABS (圧縮比:11.2)
BURGMAN400 ABS (圧縮比:10.6)
V-STROM 250 ABS (圧縮比:11.5)
GSX250R ABS (圧縮比:11.5)
GIXXER/SF250 (圧縮比:10.7)
BURGMAN200 ABS (圧縮比:11.0)
GIXXER150 (圧縮比:9.8)
GSX-R/S125 ABS (圧縮比:11.0)
ADDRESS110 (圧縮比:9.3)
となり、ハイオク指定のバイクは軒並み高級スポーツモデルや大排気量車ばかり。
スズキでは圧縮比が12以上のバイクが100%ハイオク指定になっています。
ホンダADV160の圧縮比は
ホンダADV160のエンジンの圧縮比は12となっていて、かなりのハイプレッシャーエンジンであると言えます。
MT-09より圧縮比が高いとは驚きです。
ちなみに先代のADV150の圧縮比は10.6なので、新型になってかなり圧縮比がアップしたことになります。
メーカー指定はレギュラーガソリンで、今のところノッキングの症状はありませんが、改めて調べてみると少し不安になります。
レギュラー指定バイクにハイオクガソリンを入れるとどうなる?
ハイオクガソリンは高くてプレミアム感があり、なんだか入れるだけでちょっとパワーアップしそうな雰囲気はありますが、残念ながらハイオクガソリンをレギュラーガソリンのバイクに入れたところでパワーが上がったり、加速が良くなるなんてことは起こらないそうです。
ミもフタもない話ですが、エンジン性能的には「悪いことはないがあまり意味はない」としか言いようがないようです。
唯一確実な効果と言えるのは、ハイオクガソリンにはエンジン清浄剤が入っているので、使い続ければ「エンジン内部をキレイに保つことができる」ということくらいのようです。
先日、ADV160で初めて高速道路を走りました。
少し加速を試してみましたが、時速100kmを超えるまではスムーズに加速し、時速110kmでの走行もそれほど無理はありませんでした。
まだ加速しそうだったのでメーター読みで時速120kmあたりまでは出そうな感じでした。
恐らく時速110km巡行は行けそうです。
さて、ADV160の燃費ですが、市街地や山道、高速道路など色々な環境で走った平均はリッター44kmほどです。
これはMT-09の2倍以上になります。
燃費が良いのでガソリン代が少し上がってもそれほど財布は痛みません。
結論から言うと、私は次回の給油からホンダADV160に「ハイオクガソリン」を入れることにします。
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